吟醸酒とは、精米歩合60%以下まで米を磨き、低温でじっくり発酵させる「吟醸造り」によって造られる日本酒です。

日本酒の説明で「フルーティー」「華やかな香り」という表現を見かけることがあります。その多くは吟醸酒や大吟醸酒の特徴です。1980 年代の地酒ブーム以降、日本酒人気を支えてきた酒質とも言えるでしょう。編集部が、吟醸酒の意味や特徴、大吟醸との違い、編集部おすすめ銘柄について解説します。

吟醸酒とは

吟醸酒とは、精米歩合60%以下の白米を使用し、低温で長期間発酵させる吟醸造りによって造られる日本酒です。特定名称酒の一つとして国税庁が定義しています。

吟醸造りとは

吟醸酒の特徴は、特別な発酵方法にあります。一般的なもろみ発酵が 15〜18℃ なのに対し、吟醸造りでは 8〜12℃ の低温で 25〜35 日と長期間ゆっくり発酵させます。この間に、果実のような吟醸香が生まれます。代表的な吟醸香にはリンゴ様の「カプロン酸エチル」やバナナ様の「酢酸イソアミル」があります。

吟醸酒の特徴

華やかな香り

リンゴや洋梨、メロンを思わせる香りが特徴です。

軽やかな飲み口

すっきりとした酒質になりやすい傾向があります。

冷酒向き

香りを楽しむため、10〜15℃ 程度の冷酒で飲むことが一般的です。

吟醸酒と大吟醸の違い

両者は非常に似ています。違いは主に精米歩合です。

項目 吟醸酒 大吟醸
精米歩合 60%以下 50%以下
香り 華やか より華やか
価格 比較的手頃 高価

大吟醸は吟醸酒の上位カテゴリーと考えると理解しやすいでしょう。→ 大吟醸とは?日本酒の最高峰と呼ばれる理由

吟醸酒と純米吟醸の違い

吟醸酒

醸造アルコールを添加。香りがより前に出やすい。

純米吟醸

醸造アルコールを添加しない。米の旨味と吟醸香を両立。

純米吟醸の方が米の旨味を感じやすい傾向があります。→ 純米酒とは / 純米吟醸ガイド

吟醸酒に使われる代表的な酒米

山田錦

吟醸酒で最も人気の高い酒米です。→ 山田錦とは?酒米の王様と呼ばれる理由

五百万石

すっきりとした酒質になりやすい品種。新潟を中心に栽培。

美山錦

長野県発祥で、東北地方を中心に使用されています。

なぜ吟醸酒は人気なのか

現在の日本酒市場では、初心者が入りやすいカテゴリーとして支持されています。理由は、

  • 飲みやすい
  • 香りが分かりやすい
  • ワイン好きにも親しみやすい
  • 価格帯が手頃 (四合瓶 1,800〜3,500 円中心)

ためです。

初心者におすすめの吟醸酒

浦霞 吟醸

宮城県・浦霞酒造を代表する吟醸酒。寿司との相性が抜群。→ 浦霞ガイド

鳳凰美田 吟醸酒

栃木県・小林酒造。ジューシーでフルーティーな味わい。→ 鳳凰美田ガイド

黒龍 吟醸いっちょらい

福井県・黒龍酒造。吟醸酒の定番として全国で愛されています。→ 黒龍ガイド

よくいただく質問

吟醸酒とは何ですか?

吟醸造りによって造られる香り高い日本酒です。

大吟醸との違いは?

精米歩合が異なります。吟醸酒は60%以下、大吟醸は50%以下です。

吟醸酒は甘口ですか?

甘口も辛口もあります。→ 日本酒度とは?

冷酒で飲むべきですか?

香りを楽しむため冷酒 (10〜15℃) がおすすめです。

出典・参考

  • 国税庁「清酒の製法品質表示基準」
  • 日本酒造組合中央会「特定名称酒の解説」
  • 独立行政法人 酒類総合研究所「吟醸香に関する研究」

あわせて読みたい

まとめ

吟醸酒とは、精米歩合60%以下の米を使い、低温でじっくり発酵させて造られる日本酒です。華やかな香りと飲みやすさから、日本酒初心者にも人気があります。大吟醸や純米吟醸との違いを理解すると、日本酒選びがさらに楽しくなるでしょう。