日本酒の楽しみ方は人それぞれだ。銘柄を覚える人もいれば、酒米や製法を深掘りする人もいる。料理とのペアリングを楽しむ人もいるだろう。

そんな中で、内田彩さんの話を聞いていると、少し違った楽しみ方が見えてくる。きっかけはラベルだったり、銘柄の名前だったり、その土地で飲んだ思い出だったり。「美味しい」だけではない。そのお酒がどこで生まれ、なぜその名前になり、どんなデザインになったのか。そんな背景ごと楽しんでいるのが、内田さんらしい日本酒との付き合い方だった。

10月17日(土)・18日(日)に東京・浜松町で開かれる超吟醸祭2026には、10月18日(日)第5部のステージで登場する。出演を前に、日本酒との出会いから、ラベルの向こう側を想像する楽しみ、この日の試飲まで、たっぷり語ってもらった。

内田彩さん 超吟醸祭2026インタビュー

お酒の診断、結果は「酒沼ラボ研究員」

取材はまず、SIPORYのお酒の診断から。「どんな環境でお酒を楽しみたいか」を24問で掘っていく診断に、内田さんの回答は「とてもそう思う」の連打だった。家でゆっくりも好き、旅先の居酒屋も入りたい、家飲み用のお気に入りは「置いてあります」、酒フェスの空気には「よく行きますね」──。

やばい、『とてもそう思う』ばっかりになってる。せっかく細かくやってくれてるのに(笑)

見たことのない日本酒が気になるか、という質問への答えが彼女らしい。

逆に、種類がありすぎて見たことのないものの方が多いから、常に気になっている

診断の結果は「酒沼ラボ研究員」──ひとりで静かに新しい酒を研究し、飲み比べやラベル読みまで楽しめる探究型。本人の受け止めは。

これは分かる気がします。ただ、1人で静かに研究したいかって言われたら、いや、みんなで飲む時間も好きだなって思って。ただ、"これはこうなんだ、へえ"みたいな情報を読むのもすごい好きなので、合ってると思います

この"研究員"ぶりは、後の試飲タイムで存分に発揮されることになる。

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コンビニで見つけた一本から、日本酒との距離が縮まった

内田さんが日本酒を自分で買うようになったきっかけは、スパークリング日本酒の「」だった。

自分で日本酒を買うようになったきっかけは、『澪』っていうスパークリングがコンビニとかで手軽に買えるようになってるのを見つけて

当時は仲間内でも話題になっていたそうだ。

『美味しいよ』という話を聞いて、コンビニでこんなの買えるんだってなったのが25歳ぐらいの時です

それまでの日本酒のイメージは、少し違っていた。

やっぱりイメージ的には日本酒って結構重たいというか、重厚なイメージがあったんですけど。一升瓶の印象も強いし。なのでスパークリング日本酒がコンビニで買えるのはすごくいいなって。しかも小さかったんですよ。こんぐらいの、ちっちゃい瓶。それが自分で買い始めるきっかけになったのを覚えてます

初めて飲んだ時の印象も鮮明に残っている。

私は炭酸がすごく好きなので、スパークリングという点で何より飲みやすかったのと。日本酒なのに『これは私でも飲める』って思えたことが嬉しかったですね

そこから宮城の「すず音」にも出会い、日本酒の世界は少しずつ広がっていった。一升瓶を買うところから始まったのではなく、気軽に手に取れる一本から始まったというエピソードは、日本酒初心者にとっても共感しやすいかもしれない。

子どもの頃から知っていた「水芭蕉」

好きな日本酒を尋ねると、内田さんは群馬県の「水芭蕉」の名前を挙げた。群馬県出身の内田さんにとって、その名前は日本酒好きになってから知ったものではない。

小さい頃からスーパーや色々なお店に『水芭蕉』っていうポスターが貼ってあるのは目にしてたんです。あと『赤城山』とか

もっとも、当時はそれがどんなお酒なのかまでは分かっていなかった。

子供の頃ってそれがお酒なのは分かるんですけど、日本酒なのか焼酎なのかも分からなくて。ただ、よく貼ってあるお酒っていう認識はあって

その名前と日本酒が結びついたのは、大人になってから。母親と温泉旅行へ出かけた際、食事処でスパークリングタイプの水芭蕉を見つけた時だった。

私、スパークリングが好きなので、その時に水色のボトルの『水芭蕉』の純米吟醸辛口スパークリングを見つけたんですよ。『これは初めて見たな』と思って注文したんです

そして、その時のことをこう振り返る。

母と一緒に、地元の日本酒を頼むっていうのがすごい『大人になったな』っていう感覚があって。いただいた時に『こんな味だったんだ』って、じーんと感動して

味だけではなく、その時の体験も含めて記憶に残っている。

思い出と結びついて、『水芭蕉』はとても特別な印象があるので、好きな日本酒と聞かれて自分の中でパッて思い浮かぶのは水芭蕉です

その後、世界へ発信されるスパークリング「MIZUBASHO PURE」を飲んだことも、さらに印象を深めるきっかけになった。子どもの頃から見ていた名前が、世界に向けて発信される銘柄になっていたことにも驚いたという。

ラベルを見ているだけでも楽しい

最近、後輩の相良茉優さんと訪れたのは、日本酒飲み放題の店だった。夏酒が数多く並ぶ店内で、内田さんがまず目を引かれたのはラベルだったという。

時期的に夏のお酒もいっぱい置いてあったので、ラベルがすごい可愛いものが多くて。涼やかなものだったり、花火モチーフにしてたりとか、夏のお花とかクジラとか。そういう夏の涼やかなラベルを見てるだけでも楽しくて

選ぶ基準も少しユニークだ。

味っていうよりもジャケ買いみたいな感じで、『次これにしよう』って。それがすごい楽しかったですね

さらに話を聞いていると、内田さんはラベルの先にあるものまで想像していることが分かる。

私、結構そういうデザインとかを見るのが大好きなんで。なんでこの瓶の色にしたのかなとか、なんでこのラベルにしたのかなとか、なんでこのタイトルにしたのかなとか。全部含めて、なぜこのパッケージにしたんだろうと眺めるのが大好きで

日本酒の知識を覚えることだけが楽しみ方ではない。銘柄名やデザインから作り手の意図を想像する。そんな楽しみ方もあるのだと教えてくれる。

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「開運だ!」と言って飲んだ一杯

後輩の永牟田萌さんと飲みに行った時には、「開運」という名前の日本酒を選んだという。その日はお互いの仕事について話していた。

いろんな仕事の話をお互いにしていたんですけど、その時は『じゃあちょっと運が向くように、この開運っていうやつ飲んでみよう』って

選んだ理由は、とてもシンプルだった。

ゲン担ぎで。おめでたい感じのお酒だったんですけど、それを2人で話しながら飲んだりとか

もちろん味も、「おいしかったです」。

ただ、その話を聞いていると印象に残るのは味の感想だけではない。その日に誰といて、どんな話をして、どんな理由でその銘柄を選んだのか。内田さんにとって日本酒は、そうした時間ごと記憶に残るものなのだろう。

ちなみにこの「開運」(静岡・土井酒造場)、超吟醸祭2026に出展予定の蔵である。会場で再会できるかもしれない。

TICKET

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プレミアム ¥7,980(通常チケットの内容+第5部トークショー観覧席)/Day2通常 ¥4,980(10/18に2時間試飲し放題)。20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。

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梅酒も梅干しも、自分で作る

今回のインタビューで印象的だったのは、内田さんが「飲む」だけではなく「作る」ことも好きだということだった。

今の時期だと梅酒を漬けるのが好きなので

しかも、毎年同じ作り方ではない。

このお砂糖とこのお酒でつけてみたいなあ、って。普通の氷砂糖じゃなくて、ちょっと蜂蜜にしたり

さらに話を聞くと、梅酒だけではなかった。梅干しも作る。梅酢も作る。水キムチも作る。

最近は梅酢漬けにはまってて。水キムチも家で作ったりしてて、甘酒で発酵させて作ってます

毎年の恒例行事になっているそうで、「昨日の夜も夜な夜な」と笑う。

診断の「酒沼ラボ研究員」という結果に、確かにうなずける。興味を持ったものを試してみる。少し変えてみる。また試してみる。そんな好奇心が、お酒の楽しみ方にも表れていた。

インタビューの様子

試飲タイム──「これ危険ですよ」の連続

取材の後半は、会場となった店のマスターがこの日のために選んでくれた酒を利いていく。1杯目は、茨城・古河の青木酒造「御慶事」。雄町を使った一本で、JALの国際線ファーストクラスに採用されたこともある、茨城を代表する銘柄だ。

内田彩さん

🍶 この一杯、どうでした?

御慶事(青木酒造/茨城・古河)

美味しい。いいな、この明るい時に、外見ながら。──これ、いつでも(飲めちゃう)」。6月の午後の光に、夏酒がよく似合った。

2杯目は、福島・奥の松酒造の「醸侍(ジョージ)」ブラック。醸す侍と書いてジョージ。社長の名前もジョージさんだという。

内田彩さん

🍶 この一杯、どうでした?

醸侍 ブラック(奥の松酒造/福島)

なんかすごい優しいですね。いい意味で角がないというか。……ほんと、お水みたい。ご飯、白米のような優しさ

ラベルには刀を構えた侍。そのギャップに、内田さんが笑う。

強そうじゃないですか、侍もいるし。いや、全然切り捨てられそうな感じはしません。優しい

切られたことに気づかない、ってことですね」と返すと、「気づかないです。……これ危険ですよ」。

3杯目は、鳥取・境港の千代むすび酒造「強力(ごうりき)」おおにごり。強力という酒米を50%まで磨いた純米大吟醸生酒で、火入れをしていないため微生物が生きており、自然の発泡がプツプツと立ちのぼる。

内田彩さん

🍶 この一杯、どうでした?

強力 おおにごり 純米大吟醸 生(千代むすび酒造/鳥取・境港)

やっぱいいですね、ほわーっと炭酸と一緒に。舌に染み渡ってくる感じがして、この濁ってる感じが舌の上に残る。美味しい。甘口も好きなんですけど、辛口がやっぱ好きで──どんどん飲んじゃう

にごり酒は甘口が多いなか、これは辛口。スパークリング好きの内田さんには狙い撃ちの一本で、「ほんとに今のこの明るい昼間に、外見ながら飲みたい」と、この日のお気に入りにはこれを選んだ。

「お父さんみたい」だった一本

試飲の締めくくりは、滋賀・近江高島の「萩乃露」の大吟醸。マスターが数日前の日本酒会に出したところ、一番人気だったという一本だ。味や香りを言葉にしようと考えながら、内田さんはこんな言葉を口にした。

お父さんみたい

周囲が少し驚く中、さらに続ける。

柔らかくて、優しくて、でもなんかちゃんと、確かな安心感みたいな

内田彩さん

🍶 この一杯、どうでした?

萩乃露 大吟醸(滋賀・近江高島)

香りは、ふわって華やかというよりは"すんっ"とした感じ。どっしりしたのが"いる"って感じがします。なんか、いる。──お父さんみたい

日本酒を人に例える。それも「お父さん」という表現が出てくるところが面白い。合わせるなら煮込みのような濃い味の料理、というマスターの提案にも「いいですね。煮込み。お父さん」と、すっかり定着してしまった。

一方で、香川の「讃岐くらうでぃ」には別の角度から興味を示していた。

こんな陽気なパッケージなのに『くらうでぃ』=曇りなんだ、あ! 濁り酒だから曇り空みたいってことなのかな。飲んだら陽気になるよってことかな

答え合わせは、ちゃんと白く濁っているから雲のイメージ──とのこと。試飲の時間も、単に味を比べるだけでは終わらない。ラベルや名前、背景まで含めて楽しんでいることが伝わってきた。

TICKET

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超吟醸祭で楽しみにしていること

内田さんはこれまで、日本酒番組「内田彩の今夜一献傾けて」を約5年間担当し、酒蔵ロケやファンとの日本酒イベントも数多く経験してきた。振り返ってまず口にしたのは、ファンと一緒にお酒を楽しんだ思い出だった。

皆さんと一緒にお酒を酌み交わすみたいなのがすごく楽しくて

あまりに楽しくて、飲みすぎてしまったこともあるという。ステージ上の出演者にお酒を差し入れできるイベント会場でのこと。

『〇〇さんからビール入りました』みたいな感じで来るんですよ。飲まないわけにはいかないし、『ありがとう、〇〇さん』とか言いながら飲んでたら、昼夜2部制の1部からもう飲んじゃって。めちゃくちゃ飲みすぎて進行がままならなくなったのは、ちょっと良くなかったんですけど(笑)

2部ではお酒の差し入れが禁止になったというオチまで含めて、今では良い思い出だ。だからこそ、今回の超吟醸祭にも期待していることがある。

やっぱり皆さんとお酒を通じて語り合ったり、楽しむっていうのが、いい思い出として膨らむイベントになったらいいなと思います

そして最後に、来場者へこんなメッセージを送ってくれた。

飲めない方もいらっしゃると思うんですけど、自分のペースでその空気を一緒に楽しんでもらえるのが大きなイベントのすごく良いところだなと思うので、ぜひぜひこれをきっかけに、1歩踏み出してみてもらえたら嬉しいなと思います。飲める方は、ぜひたくさんのお酒との出会いを一緒に楽しみましょう

──5年間日本酒番組を続けてきた人の言葉だから、説得力がある。

会場・試飲の様子

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この日いただいた銘柄リスト

銘柄蔵元・産地メモ
御慶事青木酒造(茨城・古河)雄町使用・JAL国際線ファーストクラス採用歴
醸侍 ブラック奥の松酒造(福島)「醸す侍」と書いてジョージ・白米のような優しさ
強力 おおにごり 純米大吟醸 生千代むすび酒造(鳥取・境港)酒米「強力」50%磨き・自然発泡の辛口にごり
萩乃露 大吟醸滋賀・近江高島数日前の日本酒会で一番人気だった一本

飲み比べたい

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イベント情報

項目内容
イベント名超吟醸祭 powered by SIPORY
開催日2026年10月17日(土)・18日(日)
会場東京・浜松町
内田彩さん出演回10月18日(日)第5部(14:30〜16:00)

TICKET

内田彩さんのステージを観るなら

プレミアム ¥7,980(通常チケットの内容+第5部トークショー観覧席)/Day2通常 ¥4,980(10/18に2時間試飲し放題)。20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。

よくある質問

内田彩さんの超吟醸祭2026の出演はいつですか?

2026年10月18日(日)第5部(14:30〜16:00)に出演します。超吟醸祭2026は10月17日(土)・18日(日)の2日間、東京・浜松町で開催されます。

内田彩さんのトークショーを観るにはどのチケットが必要ですか?

第5部のトークショー観覧席が付くプレミアムチケット第5部(7,980円)が必要です。トークショー観覧なしで試飲を楽しむ場合は、Day2チケット(4,980円)で入場できます。

超吟醸祭2026はどこで開催されますか?

東京・浜松町で、2026年10月17日(土)・18日(日)に開催されます。全国の蔵元が集まり、150銘柄以上の吟醸酒を試飲できます。

内田彩さんの好きな日本酒は何ですか?

出身地・群馬県の「水芭蕉」です。日本酒を自分で買うようになったきっかけは、コンビニで見つけたスパークリング日本酒の「」でした。

まとめ

コンビニで見つけた「」。母親との温泉旅行で飲んだ「水芭蕉」。後輩と飲んだ「開運」。そして、ラベルの向こう側にある物語。

内田彩さんにとって日本酒は、ただ飲むだけのものではない。その銘柄が生まれた背景や、一緒に飲んだ人との時間まで含めて楽しむものだった。超吟醸祭でも、そんな内田さんらしい視点で日本酒の魅力が語られるはずだ。

取材場所:クラノバ(五反田)

取材に協力してくれたのは、五反田の日本酒の店「クラノバ」。マスターが銘柄ごとの背景──蔵の来歴から杜氏の交代劇、酸の設計まで──を語りながら注いでくれる店で、この日の4杯も、内田さんの好み(スパークリング・酸味)に合わせたマスターのセレクトだった。

クラノバにて

クラノバ 住所:〒141-0022 東京都品川区東五反田2-2-16 富久屋ニッカ共同ビル1F 営業時間:18:00〜23:00(不定休)

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